今どきの戒名事情
亡くなった時にいただく戒名。本来は生前に授かるべきものだとされていますが、実際は亡くなってお寺に戒名料を納めていただくものと認識している方が多いのではないでしょうか。檀家制度が限界にきている現状、今時の戒名事情はどうなっているのでしょうか?
戒名とは
仏の世での故人の名前を戒名と言います。戒名を与えてもらうことで、仏の世界へ入ることを許されるとされています。戒名の呼び方は宗教によって異なっており、浄土真宗では「法名」、日蓮宗では「法号」と言われています。
本来戒名は、僧侶が出家する人に付ける名前だったので生前に与えられるものでした。しかし現在ではその人の生き方を戒名に盛り込む傾向もあり、死後お布施の金額によってランク付けがされているのが現状のようです。
戒名をめぐるトラブル
最近では、戒名料として高額の請求を受けて納得できないという相談が全国の消費生活センターに寄せられているそうです。その背景には都市では特に檀家制度が崩壊しつつあり菩提寺がない人が増えるなか、寺は戒名料を高くしないとやっていけないという事情もあるようです。
そのため、生前戒名の動きが広まってきているようです。生前なら比較的安い金額で戒名を授ける寺院もあるようです。またネットで戒名を選べるサービスなどもでてきているようです。
注意点としては、菩提寺のある場合はまず住職に相談しないとトラブルの元となります。お世話になった菩提寺には配慮をすることが大切です。
戒名は必要なのか
戒名が必要かについてはそれぞれの考え方や進行している宗教によっても違いますが、仏式での葬儀では通常戒名がなければ執り行うことができません。
つまり、仏式以外の争議なら戒名は必ずしも必要ではないということになります。
参考に戒名の種類について
※あくまで目安です。実際にはお寺との関係性によります。
信士(しんじ)・信女(しんにょ)
お布施の目安 10万円~
18歳以上の男女に戒名の最後に付けられます。
居士(こじ)・大姉(だいし)
お布施の目安 50万円~
居士は、出家をしないで仏門に帰依する男性のことを指します。またインドでは古く家長や、富豪といった意味もあったそうです。
女性のは大姉となります。身分の高い在家の女性を指します。
院号
お布施の目安 100万円~
院号は、寺院や社会に対して非常に大きな貢献をした人に贈られる称号とされており、戒名の中でも最も高い位です。
終活のひとつとして戒名も考えてみる
戒名がいらないと考えた場合は、納骨する墓地を選ぶ必要があります。宗旨宗派不問の墓地や仏教以外でも納骨できる墓地を選ぶなどの必要があります。そうすると墓じまいや改葬といったケースにつながるかもしれません。
いずれにしても終活のひとつとして戒名について考えてみるのもいいのかもしれません。無理のない形で戒名を授かるようにすることが大切ではないでしょうか。